RCCMってどんな仕事?
仕事内容や資格について徹底解説
建設業に関わる資格の一つにRCCM(シビルコンサルティングマネージャー)というものがあるのをご存じでしょうか?
ここでは、RCCMの資格概要、RCCMの仕事内容について徹底解説します。
土木工事の建設現場では、監理技術者や主任技術者の要件として挙げられる資格の一つであり、一定水準以上の技術力を有している証拠になる民間資格です。
RCCM(シビルコンサルティングマネージャー)とは?
まず初めに「RCCM」とは、何を指す言葉か解説します。
RCCMとは、シビルコンサルティングマネージャー(Registered Civil Engineering Consulting Manager)の略称であり、土木工事に関連する一定の専門技術を有することを証明する(一社)建設コンサルタンツ協会が主催する民間資格です。
まず、土木に関わらず建設業で最も知名度のある国家資格の一つに「技術士」があります。
土木工事においては、技術士の他に、RCCMの資格保有者であれば一定の技術力を有している証明になります。
RCCMの「C」に該当するCivil Engineeringは、土木分野であることを指しており、読んで字のごとく、土木工事の有識者であることの証明なのです。
また、国家が制定した資格でなく、民間資格であることも大きな特徴となります。
背景と目的
RCCMの資格の成り立ちについて、その背景と目的を紹介します。
平成3年に建設省(現、国土交通省)の重点施策の一つとして、高度で良質な社会資本を整備することを目的に、建設コンサルタント業務において、技術水準の確保、責任技術者の確保の観点から、同業務に関わる管理技術者や責任技術者(照査技術者)の育成と技術力を客観的に評価する資格の創設が求められていました。
そこで、RCCM(シビルコンサルティングマネージャー:Registered Civil Engineering Consulting Manager)という、建設コンサルタントなどの業務の円滑かつ的確に実施することに加え、優秀な技術者が積極的に活用されることによって建設コンサルタント業界の技術力向上を目的に設立された資格なのです。
役割と技術力
前項でRCCMの資格創設の背景と目的を学びました。ここでは、RCCMの役割について解説します。
RCCM(シビルコンサルティングマネージャー)の役割は、国土交通省などにおいて規定されている監理技術者または照査技術者、業務担当者として適切な業務の執行、業務成果を高い水準で達成させることです。
RCCMに要求される能力は、設計業務の特質を理解し、円滑、適正に業務を進めるための技術監理能力と当該分野の技術力です。
これらのことから、RCCMの資格保有者は、継続的に自己研鑽に励み、自らの能力を維持向上させる責務があることからCPD(継続教育)制度を活用して所定のCPD単位の取得が義務づけられています。
RCCMは、上述の通り民間資格ではありますが、建設業界での技術資格認定であり、国土交通省でも重視されている専門技術に携われる知識と経験のある技術者であることを証明する資格です。
技術士とよく比較される資格ですが、監理技術者、照査技術者に携わることができるという点では同等であり、どちらが上ということはないほど知名度のある資格なのです。
RCCMの種類
RCCMの専門技術分野について紹介します。
RCCMの試験は、22種類の専門技術部門に分かれており、その中から自分が希望する一部門を選択して受験します。
RCCMの専門技術部門は、以下の通りです。
部門 | 内容 | ||
---|---|---|---|
事業部門 (13部門) | 1.河川・砂防および海岸・海洋 | 2.港湾および空港 | 3.電力土木 |
4.道路 | 5.鉄道 | 6.上水道および工業用水道 | |
7.下水道 | 8.農業土木 | 9.森林土木 | |
10.水産土木 | 11.廃棄物 | 12.造園 | |
13.都市計画および国土計画 | |||
事業部門に共通の横断的部門 (8部門) | 14.地質 | 15.土質および基礎 | 16.鋼構造およびコンクリート |
17.トンネル | 18.施工計画・施工設備および積算 | 19.建設環境 | |
20.機械 | 21.電気電子 |
RCCMの仕事内容
それでは、具体的にRCCMの仕事内容について解説します。
RCCMの仕事内容は、保有している資格の専門技術者として建設コンサルタント業務に携わります。
また、業務においては中立・独立した立場から業務遂行が求められます。
建設コンサルタント業務では、土木構造物の施工に携わる専門技術者として道路・橋梁の他、鉄道、港湾、ダム、トンネルなどに関わる管理技術者、照査技術者として点検や診断などの専門技術の提供や構造物診断・点検を行い、第三者が安全に安心して快適に使用できる状態を維持することです。
RCCM資格取得のメリット
次に、RCCMの資格取得のメリットについて解説します。
RCCMは単純な技術力が承認されるほかに、給与アップや転職にも有利になります。
それぞれのメリットに分けて解説します。
メリット1:技術者としてステップアップできる
メリット2:給与・年収アップが期待できる
メリット3:転職に有利になる
メリット1:技術者としてステップアップできる
最も大きなメリットは、技術者としてのステップアップができることです。
大手企業において、現場監督であれば施工管理技士、建設コンサルタントであれば技術士の資格の取得を目指すことが多いです。
建設コンサルタントにとって建設業で技術士を取得するには、非常に狭き門であり、難易度が高く、合格率が低い(10%前後)ことからまずはRCCMを取ることをステップに考える企業もあります。
RCCMは合格率が40%前後のため、技術士の資格よりは合格しやすい傾向にあり、難易度は下がるので一定の技術力の証明になるためにもRCCMの資格取得を考える人もいます。
このように、技術者としてステップアップしていることを確認できるためにも本資格の取得意義は大きいと言えるでしょう。
メリット2:給与・年収アップが期待できる
メリットの2つ目は、給与や年収がアップすることです。
上述でも触れましたが、一定規模以上の公共事業は、建設工事を受注するとき、監理技術者や主任技術者などの評価対象者の設置を必須としています。
RCCMの資格保有者は、そのどちらにも該当できるため、資格保有者の待遇が良くなることがあります。
会社によって待遇は異なりますが、一般的に、合格時に一時金として手当が支給されたり、ベース給与が数万円上がるなどの企業があります。
メリット3:転職に有利になる
メリットの3つ目は、転職が有利になります。
上述の通り、工事の受注件数を増やしたくても資格保有者の不在のため、応札ができない企業にとって、資格保有者を得るということは受注件数が増えることに直結します。
そのため、転職時にどの企業にとっても無資格者よりは待遇が良くなる傾向にあり、可能であれば転職前に資格取得を検討することをお勧めします。
RCCMの年収
RCCMの年収は所属する企業や団体、専門とする技術によって異なりますが、およそ480万円~730万円程度となっています。
RCCMは受験資格を得るためにも7年の実務経験を要するため、30~40歳で取得する人が多く、平均年収も全産業の平均年収と比較すると高く出る傾向にあります。
RCCMの資格が活かせる転職先
RCCMの資格が活かせる転職先は主に、
①建設コンサルタント会社
②建設会社(ゼネコン) です。
理由は資格取得のメリットでも記載の通り、管理技術者、照査技術者の他に、監理技術者や主任技術者にもなれるため専任業務があり、企業にとっては応札件数の増加、売り上げの増加が見込まれるからです。
まとめ
RCCM(シビルコンサルティングマネージャー)の資格概要と仕事内容は理解できたでしょうか?
土木工事における一定の技術力を示す知名度の高い資格であり、工事を受注する上で監理技術者や主任技術者などの重要なポジションで受注できるため転職時にも非常に役立つ資格になっています。
本記事を通してRCCMの受験を検討する人が増えることを願っています。
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