技術管理者の認定制度とは(建設コンサルタント)
技術管理者認定制度とは、土木施工などの資格試験ではございません。
ではどのような制度なのでしょうか。
建設コンサルタント登録制度
国土交通省が一定の水準を満たした建設コンサルタントに登録を与える制度で、主に土木に関する21の登録部門があります。
この制度に登録することで、公共工事、業務の受注が可能になります。
なお、登録の有無に関わらず、建設コンサルタントの営業は自由に行うことができます。
延べ面積 | 木造建造物 | 鉄筋コンクリート造、 鉄骨造等 | 全ての構造 | ||||
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高さが13mかつ 軒高9m以下のもの | 高さが13mかつ 軒高9m以下のもの | 高さが13m または軒高9mを超えるもの |
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平屋 | 2階建て | 3階建て 以上 | 2階建て 以下 | 3階建て 以上 |
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30m2以下 | 【A】 | 【C】 | 【A】 | 【C】 | 【D】 | ||
30m2を超え100m2以下 | 【C】 | ||||||
100m2を超え300m2以下 | 【B】 | ||||||
300m2を超え500m2以下 | 【C】 | 【D】 | |||||
500m2を超え1000m2以下 | 一般 | ||||||
特建 | 【D】 | 【D】 | |||||
1000m2を超えるもの | 一般 | 【C】 | |||||
特建 | 【D】 |
技術士は、科学技術に関する専門能力が必要とされる国家資格です。
そして、技術士の専門分野は21部門で上記と同様です。
建設コンサルタント登録のメリット
建設コンサルタントに登録した場合のメリットは3つあげられます。
- 会社の信用が上がる
- 公共工事、業務の受注が可能になる
- 経営状態や実績の把握ができる(毎年1回の現況申告書の提出)
2については、登録した部門のみ国交省からの受注が可能になります。
建設コンサルタント技術管理者認定申請について
技術管理者認定申請については、毎年7月に申請を受け付けています。
審査の結果、一定の実務経験を有していると認められた場合には技術管理者として認定されます。
部門 | 記載が必要な諸元の例 |
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河川、砂防及び海岸・海洋部門 | ・河川の名称、水系名、級 ・河川管理施設の名称(種類)、規模(延長、高さ等) ・ダムの種類、名称、諸元(高さ等) ・砂防施設の種類、名称、規模(延長、高さ等) ・水局海岸の名称 ・水局海岸の海岸保全施設の名称、規模(延長等) |
港湾及び空港部門 | ・港湾の名称 ・港湾施設の名称、規模(延長等) ・空港の名称 ・空港施設の名称、規模(延長等) ・港湾海岸の名称 ・港湾海岸の海岸保全施設の名称、規模(延長等) |
電力土木部門 | ・発電用施設の名称、規模(延長、高さ等) |
道路部門 | ・道路の名称(種類)、種・級区分 ・道路の規模(延長、幅員等) ・構造物の名称、規模(延長、高さ等) |
鉄道部門 | ・鉄道路線における駅あるいは駅間、踏切、車両基地、停車場、操作場の名称 ・土木施設の名称、規模(延長等) ・電気施設の名称、規模(延長等) |
上水道及び工業用水道部門 | ・水道の名称、種類 ・水道施設の種類、名称 ・構造物の種類、名称、規模(径、延長、高さ等) |
下水道部門 | ・下水道の名称、排除区分 ・下水処理施設の種類、名称 ・構造物の種類、名称、規模(径、延長、高さ等) |
農業土木部門 | ・かんがい施設の名称、規模(延長、高さ等) |
森林土木部門 | ・治山施設の種類、名称、規模(延長、高さ等) ・林道の名称(種類)、規模(延長、幅員等) |
水産土木部門 | ・漁港の名称 ・漁港施設の名称、規模(延長等) ・漁港海岸の名称 ・漁港海岸の海岸保全施設の名称、規模(延長等) |
廃棄物部門 | ・廃棄物処理施設の名称、規模(処理面積、処理容量等) |
造園部門 | ・公園・緑地等の種類、名称、規模(面積等) |
都市計画及び地方計画部門 | ・調査・計画等の種類、名称、規模(面積等) |
地質部門 | ・地質調査の種類、名称、規模(数量、深度) |
土質及び基礎部門 | ・構造物の種類、名称、規模(延長、高さ、材質等) |
鋼構造及びコンクリート部門 | ・構造物の種類、名称、規模(延長、高さ、材質等) |
トンネル部門 | ・トンネルの種類、名称、規模(延長、幅員、高さ等) ・構造物の種類、名称、規模(延長、高さ、材質等) |
施工計画、施工設備及び積算部門 | ・構造物の種類、名称、規模(延長、高さ等) ・構造物の施工計画・施工方法に係る検討内容 |
建設環境部門 | ・調査・計画等の種類、名称、規模(面積等) |
機械部門 | ・機械設備の種類、名称、規模(延長、幅員、高さ等) |
電気電子部門 | ・電気通信施設・設備の種類、名称、規模(延長、高さ等) |
建設コンサルタント及び地質調査業者の登録に必要な技術管理者については、原則として各登録規程に定める技術士等としていますが、一定の実務経験を有する者については、技術管理者として認定を受けることができます。
RCCMも技術士の指導のもとで実務経験5年以上があれば申請できます。
申請要件
注意事項
- 技術管理者は専任かつ各部門に一人であるため、同一の技術者が複数部門の認定申請を行うことや、複数の技術者が同一部門の認定申請を行うことはできません。
- 認定申請を行う建設コンサルタントに所属していない技術者については、認定申請はできません。
- 申請時点で公務員・団体職員である技術者については、申請を行うことはできません。
- 認定申請を行おうとする部門にあらかじめ技術管理者がいる場合は、申請することができません。
ただし、現在の技術管理者に退職予定などがあり、認定後速やかに技術管理者の変更を届け出ることが確約されている場合は認定を受け付けることができます。この場合誓約書の提出が必要となりますので、事前に各登録担当部局へお問い合わせください。
認定後の注意点
申請書類の記載方法等
認定申請を行う場合には、下記の事項について十分留意が必要です。
- 期間
- 期間の欄は、各業務の実際の契約期間を記載してください。実務経験年数と一致しなくても構いません。
- 実務経験年数
- 実務経験年数欄に記載する期間は、「業務の内容」に記載された業務について、他の業務に一切関わることなく、その業務に専任して従事した期間です。
- 1ヶ月から12ヶ月の範囲内で月単位で記載してください。1ヶ月に満たない実務経験、1年を超える実務経験は実務経験として認められません。
- 少数点表示の記載も実務経験年数として認められません。
(国債業務や繰り越し業務で1年を超える業務について記載する場合、複数行に分けた上で、各行には年度ごとの業務の内容を記載して下さい。その際、年度毎の業務の内容の違いがわかるよう明記してください。)
【不適切な記載の例】
- 0.5月などの少数点表示
- 1年1月、2年0ヶ月などの1年を超える表示。
実務経験年数はその業務に専任して従事した期間となりますので、他業務を行った期間と重複することはありません。
例えば、下記のように10ヶ月の間にA業務・B業務・C業務3件の業務を担当していたとして、A~Cの契約期間に重複する期間があることは許されますが、A~C業務の実務経験年数の合計が10ヶ月を超えることは許されません。
審査基準
経歴の記載に関する質問等は、国土交通省 不動産・建設経済局 建設市場整備課 建設振興係(TEL:03-5253-8111(代表))にて受け付けております。
まとめ
技術管理者認定制度とは、土木施工などの資格試験ではございません。
認定を受けた後、その建設コンサルタントを退職したとき、その認定の効力は失われます。
その会社の全登録部門の技術管理者が認定を受けた技術者だけとなったとき、認定の効力は失われます。(技術士登録者が1名は必要)
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